長野県の最西端。

長野県王滝村 / おんたけスキー場



長野県の最西端、王滝村へ行ってきました。
王滝村は、中央西線木曽福島駅、もしくは国道19号線(旧中山道)の福島宿付近から西へ走ることおよそ1時間。近頃、火山活動が活発化して、火山観測情報も出ている御嶽山の麓、木曽川の支流の王滝川沿いに位置する小さな村です。
王滝村は、かつては国営御嶽スキー場御嶽神社のお膝元ということで、スキー客や御嶽教徒の参詣でにぎわっていたといいます。しかし、今はその観光客も激減してしまい、スキー場への投資で首が回らなくなってしまったという、ある意味近頃の財政難に苦しむ小自治体のモデルのような村なのです。


最近県内のニュースでは、しばしば「実質公債比率(実質公債費比率)」という言葉をよく聞きます。
この言葉が一躍有名になったのは、財政再建団体に陥ってしまった北海道の夕張市の財政状況を表現するために使われたからだと思います。どういう意味かというと、簡単に言えば年間の支出に占める借金返済額の割合のことです。同じ財政規模の自治体で比較すれば、実質公債比率が高いということは、それだけ借金の返済額が大きいということになり、当然住民への負担の増大やサービスの低下を招いてしまいます。
王滝村は、実質公債比率が全国の自治体で第3位(33.3%)なのです。


じゃ、先頃財政破綻した夕張市は当然、実質公債比率はダントツトップなんだろうなー。
と思ったら違うんですね。夕張市は28.6%で全国第8位
トップ2はやはり北海道ですが、夕張市ではなく、歌志内市上砂川町です。
第1位の歌志内市は、「市」なのに人口が5000人あまりで、日本で一番人口の少ない市になってしまいました。というのも、元々は炭鉱の町として栄えていたのが、20世紀の終わりに閉山の憂き目にあい、同時に市民の流出を招いてしまった。人口は減っても市の称号だけは残った訳です。
実質公債比率は、ニュースでは財政破綻に近い自治体の指標のような使われ方をされていることが多いのですが、夕張市よりも実質公債比率が高い市町村が7つもあり、それらはまだ破綻した訳ではないという。じゃあ何か、実質公債比率が高ければ高いほど財政は破綻してくって訳じゃないのかな? と、何となく疑問に思ってたんですが。


まぁ、答えを聞いてみれば単純な話です。
実質公債比率は、前述の通り支出に占める借金返済額の割合です。
支出が百万円で、そのうちの借金返済額が五十万円なら、50%ってことになります。


一方で、夕張市財政再建団体に陥った最大の原因は、何度もの「借り換え」によって、負債そのものの額が雪だるま式に増えてしまったせいだそうです。負債が、市の財政ではとても返済出来ない状態にまでふくれあがってしまった訳ですね。
勿論、負債そのものが多ければ、毎月の返済額もそれなりに多くなるので、実質公債比率は上がります。だから、自治体の財政の健全度の指標にはなるのですが、だからといって、実質公債比率が高いことが、イコール財政破綻に近いという訳ではないというわけです。


ちなみに、夕張市の財政は、借金の返済のためにさらに借金を繰り返すという典型的な破滅スタイルで、悪化の一途を辿ってきたそうなんですが、返済額とさらなる借り入れが釣り合っている状態となり、その借金が明らかになることは無かったそうです。しかし、「実質公債比率」が導入されたことで、借金返済額そのものにスポットライトが当たってしまい、実態が明るみに出てしまった……というわけ。


そんなわけで近頃、夕張支線に乗りたいぞ!


これが言いたかった!ー゜)b