旅行記(第58回) 【ホルモン腹ペコ観戦記イン大阪なんば】

男山ケーブル

(今回は何となくラノベっぽいノリでお送りしています)
先月上旬の北海道・大阪旅行の興奮もさめやらぬ時期(ついでに言えば、旅行記も書き終わっていない)に再び行って参りました大阪・なんば。今回の目的は一つだけ、10/2(木)に開催されるマキシマムザホルモンのライブツアー「爪爪爪」のなんばHatch公演を見に行くことであります。

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10月1日(水)

14時。定刻発車
いつもそうであるように進行方向右側の窓際をゲット。指定を確保しておいたのですが、どこをどう間違えたのかすぐ目の前に窓と窓の境目の壁がある席を引いてしまったので、贅沢にも指定席を放棄しつつ空いていた8号車禁煙自由席に移動することに。名古屋行きの進行右側は西を向くので、傾きはじめた太陽がガラスを通してジリジリと照りつけます。あちい。
結局、カーテンで適度に遮光を図りつつ、しばしば乗る長野から名古屋までの区間ラノベ*1を読んで過ごすことにしました。うっマズい酔ったぞ*2


名古屋を過ぎる頃には陽も傾いて、遠く伊吹山の山容が山吹色の空にぽっかりと切り絵のごとく浮かぶ様子が眺められてなんとも素敵です。
ワイドビュー「しなの」383系電車はパワーに不足はありませんが、関ヶ原越えの特急列車の定石に従って、大垣を出てすぐ進路を北へ取り、新垂井ルートを通過します。以前、この区間を乗り潰すためにわざわざ名古屋から米原まで「しらさぎ」に乗ったのは懐かしい話。新垂井駅跡を通過するのをぼんやりと眺めてみたり。(進行方向左側にわざわざ移動までして)


車内は名古屋を過ぎてめっきり空いて、先頭の自由席に乗っているのは10人たらず。この区間は競争相手が多いうえに、停車駅が名古屋・岐阜・米原京都新大阪大阪と新幹線レベルの飛ばしっぷり。わざわざ「しなの」を選ぶような好事家はあまり居ないようです。
大阪着19:18。中央線の小断面トンネル対応の383系は、大阪駅に並ぶとシャコタン車なみに小さく見えました。



今晩の宿は、前回の旅行でも宿泊した「東横イン・なんば」です。梅田から御堂筋線で徒歩10分たらず。
どこの新聞スタンドを見ても、一面見出しは大阪ミナミのビル火災の記事ばかり。ちょ、近所やんか。


畝傍さんがいつものようにライブで大阪湾近くにいらっしゃるという情報を掴んでいた私。21:00ごろホテルを抜け出して淀屋橋へ移動です。ラノベでしばし時間を潰し、畝傍さんと久しぶりの再会を喜びあいました。(半月ぐらいぶりですね)
居酒屋でゴハン物とソフトドリンクだけ注文し30分でお会計という外道な行為をしでかして、本日は解散。

発駅 時刻 着駅 列番 種別 列車名 乗車車両 備考
梅田 19:33→19:42 なんば 503 普通   1320 なかもず行
なんば 21:16→21:22 淀屋橋 564 普通   1406 千里中央
               
淀屋橋 23:48→23:53 なんば 619 普通   21716 天王寺

*1:禁書目録

*2:「しなの」は383系振り子車両が車体をグイグイ揺らしながら山間部を走るので、とてもよく酔います!

10月2日(木)

本日、お目当てマキシマムザホルモンのライブは19:00から。
朝、ホテルで起きてみると午前9時。このヒマな時間をどうしてくれましょう。
というわけで今回も、午後休みを取った畝傍さんに案内していただくことになりました。


待ち合わせの12:15まで間があったのでなんば駅周辺で買い物をしようとしたけれど、上空をヘリが何機も飛び回っていたり、店が11時開店だったせいで自動ドアに衝突したりと、出鼻をくじかれたので先に梅田へ移動。
夜のライブに備えてメガネストラップを買っておきたいので眼鏡屋と、ついでにラノベの続きを買うための本屋をサーチ。つい先日変えたばかりの携帯ナビが役立つぜ!


あれ?ここはどこ?


気づいたらJR線を越えてヨドバシカメラをかすめ、阪急梅田紀伊国屋書店の前まで来ていました。おや?すぐ横に眼鏡屋もあるではないか。これは僥倖。
待ち合わせ時刻まで間がなくなってきたので、急ぎ足で阪急百貨店の前を通ってJR大阪駅御堂筋口を目印に、御堂筋線改札前へ。この文章だけで私がどんなルートを通ったか想像できる人は梅田通ですね。


畝傍さんと合流し、梅田の「ハゲ天」で昼食。すごい屋号だ。本店は銀座だそうです。
食後の眠気と格闘しながら向かったのは、梅田ヘップファイブの上方階にあるセガの「ジョイポリス」。ゲーセンと遊園地(?)を足して2で割ったような総合アミューズメント施設だそうです。屋上にある真っ赤な観覧車で有名かもしれません。
畝傍さんが喜び勇んで「生き人形の館」へ吶喊している間、周辺をぐるりと見て回りました。平日昼間なこともあり人気はまばら。女性のグループや女子高生(学校どうした)が目立っていました。もともと女性やカップル向けの施設も多く、休日はさぞ混雑することでしょう。
せっかくだからと、私もシューティング系のアトラクションをひとしきり楽しんで、時計を見ると14時。まだ時間があるなあ。


そんななりゆきで、梅田から淀屋橋まで徒歩15分。
途上、10月19日に新規開業する京阪中之島線大江橋駅を見ることができました。でもまわりの施設が悉く石造りなのに、駅だけが自然にやさしい木造ってのはどうかと思いましたよ。



地上はまだ工事中でした。間に合うの?


京阪淀屋橋駅はヘンタイです。
地下にスペースが無かったということですが、どんな理由をつけてもヘンタイはヘンタイです。
誤解は無いとは思いますけど一応言っておきます。褒め言葉です。
まあ、ここでそのヘンタイ具合を説明するには紙面があまりにも足りないのですが、間もなく開業する中之島駅も似たような構造になるそうで、筋と金の通ったヘンタイですね。先生うれしいです。



ホームがテトリスのL字ブロックみたいな形をしています。*1


特急と普通を乗り継いで走ること30分あまり。
大阪京都の真ん中あたりにある八幡市駅の目の前に、それは静かに佇んでいた。



京阪鋼索線、平たく言えば男山ケーブルと呼ばれているケーブルカーです。
年間乗降人員の半数を1月にカウントアップするという、日本からお正月が無くなったらどうなるんだ的経営のこの路線、今日も閑散としていました。乗ったのは我々と、地元の方らしきおばさんがお一人。
男山ケーブルはいわゆる交走式で、山の下から登っていくと、路線の中央部にある行き違い場所で、降りてくるもう片一方の車両とすれ違う仕組みです。2台ある車両はそっくりに見えますが、実は車輪の形がお互い違うため、行き違い場所では確実に「自分の線路」を走ることができます。


などという説明をしている間に、終点の男山山頂に着いてしまいました。都合2分。
ここから石段を登ると展望台があって、さっきまで乗ってきた京阪電車や新幹線、遠くは京都タワーまでを一望することができます。適度に木陰もあって良いところです。

発駅 時刻 着駅 列番 種別 列車名 乗車車両 備考
なんば 10:38→10:47 梅田 202 普通   1407 新大阪
               
淀屋橋 14:40→15:01 枚方市 C1408Z 特急   9001 出町柳
枚方市 15:02→15:15 八幡市 Q1402Z 普通   2631 出町柳
八幡市 15:30→15:33 男山山上 1504 普通      
               
男山山上 16:00→16:03 八幡市 1601 普通      
八幡市 16:05→16:19 枚方市 Q1505A 普通   1554  
枚方市 16:21→16:42 淀屋橋 C1509A 特急   9052  
淀屋橋 16:48→16:54 なんば 377 普通   1024 天王寺


17:00、なんば着。ライブ会場近くのサイゼリヤ(うかべん大阪に参加されたことがある方ならピンと来るかもしれません、あそこです)でちょっと早い夕食を取りながら、ライブの準備。なんせ私はハードロックのライブどころかスタンディングのお作法も存じないド素人ですので、先生に言われるままにタオルやら何やらを用意するしかないのです。
この時間になるとちらほら、件のライブに行くのであろう人を見かけるようになりました。悉く黒地に赤文字のTシャツなど着てるので一目でわかります。
ロッカーに荷物を預ける頃には内心かなり緊張してました。ホントにマジで。


18:20、なんばHatch
すでに入場列が動き始めており、我々もそれにまぎれて会場に入ります。FM OSAKAやらの花輪が並ぶ横を通り、ホールの1階フロアへ。奥行き30mほどのスタンディングフロアに千数百人がひしめく様子はちょっとしたモノです。
19:00、対バン「SCOOBIE DO」登場。このバンドは当日まで知らなかったのですが、聞いていて面白い曲が並んでおり、その間のMCも流暢かつユーモアに富んでいてなっかなか。崖の底から煽り上げるような盛り上がりぶりでした。個人的にはVo.が知り合いに似てて笑ったのが一番印象的でした(ごめんなさい)。


19:40、SCOOBIE DOはここまで。スモークが漂う中、セット替えとサウンドチェックが始まりました。ホールのほぼ中央、ミキサー卓の前あたりでホルモンの登場を待ちます。この頃から、少しずつ人が前に集まり始める。


20:00。マキシマムザホルモン登場。
ホールの空気が一気に過熱し、そこらでモッシュが始まりました。想像以上の圧力が掛かって心底ビビる私。
体験したことがない人に伝えるのは難しいですが、大のオトナがみんなしてブラウン運動、もしくは中性子星のような重力崩壊をしてるとでも思ってください。「ホルモン重力」に引っ張られた観衆はフロアーの中央前方に集まろうとし、お互いぶつかり合って縮退圧で反発し、物理法則に従って衝突を繰り返し、結果として空間にジュール熱を生じます。要するに、めっちゃ熱い。肌が触れ合う隣人と汗を交換するような。うわッ、蹴られた!(ダイヴ中の人に)


「ぶっ生き返す」「チューチューラブリー(略)」「包丁カッター(略)」など、好きな曲を沢山聞くことが出来たので満足でした。でも「恋のおまじない」のやり方教えてくれなかったですよね!




21:15、終演。
外気の涼しさがこんなにも気持ちよかったのは久しぶりのことです。絶対2キロくらいやせたぞ。


JR難波駅のコインロッカー前でストリップ乾いたTシャツに着替え、まだ火照る身体をクールダウンしながら御堂筋線梅田へ向けて移動。途中、淀屋橋で畝傍さんと別れました。今回も大変お世話になりました!
大阪からは毎度おなじみのルート、急行きたぐにで帰ることにしました。パンタ下の中段が空いていたけれど、翌朝ハシゴを登り降りできるか非常に不安だったので、今回は下段。
余った時間でおみやげと飲み物を見繕い、ついでに何故か売っていた「ますのすし」を購入しました(なんで大阪で富山名物を売ってんだとか、ついでで買うようなモノじゃないだろ!とかのツッコミはご遠慮下さい。私は悪くない。)


23:05。
いまだ喧噪に包まれる環状線ホームの対極にある10番ホームは、ほかに発着する列車もなく、一種独特の雰囲気を放っています。客車列車のような余韻を感じさせない、まさに電車のイキオイで「きたぐに」が入線してきました。
これで乗るの何回目かな、とかぼんやりと考えながら、寝台に潜り込みました。
列車は定刻に大阪駅を離れ、新大阪京都と停車していきます。



数少ない「急行」列車。



この列車の利用客は、乗る前に写真を撮る傾向があるようです。奥は自由席車。

発駅 時刻 着駅 列番 種別 列車名 乗車車両 備考
なんば 22:31→22:39 梅田 594 普通   1106  
大阪 23:27→5:56 直江津 501M 急行 きたぐに クハネ581-37 新潟行

*1:図にするとこんな感じ。
   

10月3日(金)

5:40。
前日に検札をした車掌さんが、いつものように起こしに来てくれました。これがあるから安心して寝ていられるのです。
カーテンを開け放つと、トンネルのスキマから日本海に顔を出した茜色の朝日が見えました。今日もいい天気。
5:56直江津着、6:03直江津発。ここまで来ればあと一息で自宅です。



2日ぶりに帰ってきた長野は極寒の地と化していました。
駅から自宅までの徒歩15分で凍えるとは思ってもいなかった。秋も深まりつつあるようです。

発駅 時刻 着駅 列番 種別 列車名 乗車車両 備考
直江津 6:03→7:39 長野 340M 普通   クハ115-1009