1月6日
0:10 備後落合駅
東城ICで中国道を降りて、国道314号を北上。一路、芸備線と木次線の合流駅の備後落合を目指して、芸備線沿いを走ります。といっても、終列車は上りが22時代、下りに至っては19時台なので、この時間には長細くて暗い空っぽの空間が延びているだけですが。
ほどなくして備後落合駅に到着。名物駅ツアー第1弾。
この駅は一昨年の秋にJR西日本を完乗したときに通りました。昼間に降りても人気がなくて寂しい駅で、当時ここから乗った木次線の列車は、出雲横田まで私のほかに乗客が居なかったくらい。
そんな駅に、真夜中に行ったら超怖いだろうなーと思って寄ってみたんですが。
まじでやばいよ、これ。
駅舎の鍵がかかっていたら引き返すつもりだったのですが、開放されてたのでホームに入ってみました。
昔は急行列車が行き交い、山陰と山陽を結ぶ交通の要衝だった備後落合駅。
今はもう急行も廃止され、三方から集まる路線はすべてこの備後落合止まり。
さらに、昨年夏の水害で起きた土砂崩れで、今もって芸備線の備後西城〜備後落合は運休中。
ホームから、薄雲に隠された月をぼんやり眺めていたら、ものすごく寂しくなってきたので、車に戻りました。
0:40 道の駅 奥出雲おろちループ
高速を走ったせいか、ガソリン残量計が半分を指していて、ちょっと不安になりつつも、こんな時間に開いているスタンドがあるはずもなく、経済的走行で山道を登っていくと、まもなく有名な2重ループ橋、「奥出雲おろちループ」に到着。併設されている道の駅で仮眠をすることに。
さすがにこの時間には誰もいません。
当初はここで朝を迎えて、朝日に映える真っ赤なおろちループの写真を撮る予定だったのですが、なんとなく寝付けないので、もう少し足を伸ばしてみることに。結局3時過ぎまでシートで仮眠。
ループを降りると、さっき通った道路ははるかに上。暗くてぜんぜん距離感とかわかんないですけど。ごめんなさい。
3:30 出雲坂根駅
名物駅ツアー第2弾。
一日に普通列車が上下あわせて6本しかないという超過疎路線(以前乗ったときは、そのうちの1本には私しか乗っていなかった……)にあって、いちばん面白い駅、出雲坂根に立ち寄る。ここの名物は、巨大Z型スイッチバックと「延命水」と呼ばれる湧き水。とくに、湧き水は、わざわざ車やバイクで汲みに来る人が絶えないほど。(列車乗ってよ!)
ここでdona氏はペットボトルに水を汲み、私は写真撮影。しんしんと冷え込んでくる中、小型の三脚とレリーズで構内を走り回りました。
暗い中で長時間露出をすると、なかなかいい雰囲気の絵が撮れるのですが、一番苦労するのはピント合わせ。ファインダーを覗いても何も見えず、当然そのままではAFも効かないので、ハンドライトで焦点を合わせたいあたりを照らしてからAFで焦点を合わせ、MFに切り替えて固定したりとか。手がかじかむ。
2本のホームを結ぶ構内踏切から、出雲横田方面。反対側は、スイッチバック駅なので車止めです。
反対側。右が駅舎のある1番線で、駅舎の上には遠く、さっき通ってきたおろちループの橋梁が見えます。
2番線から、出雲横田方面を狙ってみる。
この駅の夜明けはまだまだ先です。
延命水は、1番線ホームの出雲横田方面から湧いてます。撮影後、手を洗ってみたらびっくりするほど温かかった。
1時間ほどの撮影ののち、国道314号→国道432号→県道39号→県道62号→国道54号→県道62号→国道375号と乱高下。地図に載ってないバイパスに迷い込みかけてちょっと焦ったり。
6:30 宇都井駅
続いて、名物駅ツアー第3弾は三江線の宇都井駅。始発列車の10分前に到着。
なんといってもここは、地上30mのホームに登るための116段の階段が名物。登ってると、古いマンションの最上階を訪ねてるような気分になってきます。
まだ空が暗かったので、三脚の準備をしていたら始発列車が来てしまう。あわてて撮影したけれど、ポジション取りを間違えて、ヘッドライトの直撃を受けてしまい撃沈。(まわり真っ暗…)
気を取り直して、ホームでパチパチ写真を撮ってみる。
高いだけあって、集落が一望できます。
もともと駅を作る予定がなかったところに、要望で後付けしたものだということ。バリアフリーと対極にある駅ですな、こりゃ。
そうこうしているうちに、浜原行き上り普通列車(9444D)が到着。無事に写真に写ってくれました。
駅舎の中には作り付けのベンチと、大量の駅ノートが。数冊を繰ってみたら、こんな書き込みがありました。
「鉄子の旅」のキクチさんでした。宇津井はいい!!
……おろ?
吹きすさぶ風に耐えきれず、駅を後にしました。下から望遠で狙うと、こんな駅です。
10:00 電鉄出雲市駅
日本海側に戻ってきて、出雲市駅の高架下駐車場に車を停め、私鉄乗りつぶし作戦第2弾開始。
宍道湖沿いを走る一畑電車です。
発駅 | 時刻 | 着駅 | 列番 | 種別 | 列車名 | 乗車車両 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
電鉄出雲市 | 10:21→11:18 | 松江しんじ湖温泉 | 311 | 普通 | 2114 | ||
松江しんじ湖温泉 | 11:46→12:35 | 川跡 | 301 | 普通 | 2114 | 電鉄出雲市行 | |
川跡 | 12:36→12:47 | 出雲大社前 | 14 | 普通 | 3016 | ||
出雲大社前 | 13:16→13:27 | 川跡 | 15 | 普通 | 3016 | 松江しんじ湖温泉行 | |
川跡 | 13:30→13:39 | 電鉄出雲市 | 312 | 普通 | 3018 |
JR出雲市駅で駅弁を購入して一畑電車のホームへ移動。このあたりで、発達した低気圧の影響を受けて、雨が降り始めました。この雨が、後で我々を悲惨な目に遭わせるとは、まだ誰も想像していなかったのです。(嘘。ちょっとしてた。)
電鉄出雲市駅にホームに駆け上がると、どこかで見た車両がお出迎え。こっこれは! 元京王5000系ではないですか!(hinoharuは京王線沿い育ち。)
この路線は変な面白い駅名が多いので、なかなか退屈しません。
中には知らなきゃ絶対読めないような駅も。
一畑口駅はスイッチバック形式です。どうやら、かつてはここから一畑駅に向けて線路が延びていたらしい。
そして極めつけはこれです。
11:30 松江しんじ湖温泉駅
この駅では折り返し電車待ちで30分ほどあったので、どうやって暇をつぶそうかと考えつつ駅前に出てみたら、なんと足湯がありました。ラッキー。
dona氏とそろってゆったりお湯に浸かります。天国ー。
12:36 川跡駅
「かわと」駅。ここで、出雲大社方面の列車に乗り換えです。構内踏切を通って別のホームへ移動しなければいけないのに、乗り換え時間は1分。警報機が鳴ってもみんな渡り続けます。
ようかんマン参上!
12:47 出雲大社前駅
歴史のありそうなモダンな駅舎を出てみると、雨が小降りになってたので、折り返し列車までの29分で出雲大社に参詣することにしました。私はこれが初詣。
三が日も過ぎて、参拝客も落ち着いてきたようで、ちらほらと団体客や家族連れが見える程度。片道10分ほどの道のりを急いで、おがんできました。
出雲大社前から電鉄出雲市へ戻る間に、出がけに買ったお弁当をいただくことにしました。
うなぎ弁当(920円)。
これがバカうまでした。タレは十分に甘く、ウナギはふんわりと柔らかく蒸されていて、焼き色も十分。ご飯と一緒にかき込みたくなる美味しさ。量はやや少なめですが、味と値段からすればお得だと思います。
ただ、買うときに10分ほど待たされるかもしれません。注文製作のようでした。
14:00 電鉄出雲市駅
車に戻るのとほぼ同時に、ものすごい雨と雷に襲われました。これはやばい。
カーナビで城崎温泉までのルートを検索したら、晴れていても時間がギリギリな距離。海岸線沿いに国道を行く下道ルートと、いちど中国道まで南下してから再度日本海側に出る高速ルートが提示されて、さあ、DOTCH!?
日本海側が大荒れという予報もあったし、下道よりも高速の方が万全だろうと感じたので、ちょっと遠回りながら高速ルートを選び、出発! 運転手、私!