9月13日(木)〜 2日目


ネカフェのリクライニングベッドで眠るも、やっぱり背中の調子がよろしくない。首を左右に振りながら、札幌駅前の駅レンタカー事務所に向かいます。午前8時から48時間でのレンタル。
まずは札幌ICから、一路道央道を北東へ。一足早い秋の日差しの下で赤とんぼが舞っています。

10:00 東六線駅


農道の踏切の脇にぽつんとある小さな駅。
ここをスーパー宗谷が130km/hで通過するというので、寄ってみました。
1日に4往復しかないので、きちんと時間を計算しないといけません。


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10:16頃、スーパー宗谷2号が通過。


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そういえばキハ261系の先頭部は前が見られるようになってるのですね。
スーパー宗谷2号は、次の停車駅・和寒でスーパー宗谷1号と交換をします。
10:23頃、スーパー宗谷1号が通過。


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この後は当分列車がありません。
いくつか秘境駅を巡りたいと思っていたので、一通り撮影を済ませて出発です。

12:00 北剣淵駅


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北剣淵駅は、東六線の二つ北にある無人駅です。
ここも似たような板張りホームが一本だけ。前後を防風林に挟まれたちょっと寂しめの駅。


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小さな駅舎があります。1984年(もちろん国鉄時代)の落書きがくっきり残っていて、微妙に感動。


ところで通過列車ですが…
駅に着いた直後にいきなり踏切が鳴りはじめて、あれよあれよという間に快速が通過していきました。
写真はありません。以上。
(´・ω・`)

14:10 瑞穂駅


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宗谷本線の要衝、名寄から南に12キロの地点にある無人駅、瑞穂駅は、花に囲まれていました。


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地元の寄付で作られたという自転車置き場の隣にある駅舎には、駅ノートが……


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まったりDRerさんだ!
以前からかなりファンなのでとても嬉しい。
このあと、快速なよろ8号の通過を動画で撮影し、さらに北へ。

15:10 南美深駅


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名寄を過ぎ、いっそう列車の少ない区間へと入りました。
ここまで北に来てしまうと、日中に撮れる列車はほとんど残っていません。
数少ない日中特急の一本、特急サロベツの通過を待ちます。


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駅舎は改装中なのか、ハシゴがかかってました。でも人の気配はなし。


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そして特急サロベツ通過。
陽も傾いてきて、特急の運んできた風が冷たいのです。
しばらく列車もないので、宗谷本線から少々寄り道をして、1985年に廃止された美幸線跡を辿ることにしました。

16:25 東美深駅跡


美幸線は、かつて日本一の赤字路線と呼ばれ、当時の美深町長の必死の宣伝も実らず、美深から北見枝幸までの道半ばにして廃止された路線です。廃止時は、美深―東美深―辺渓(ぺんけ)―仁宇布(にうぷ)の4駅が存在していました。
現在、辺渓までの廃線跡は、徹底的に整地され、区画整理されてしまったので、痕跡はまったく残っていないと言われています。
しかしよく見れば少しぐらい何かあるんじゃないかな、という期待を胸に、現地へ行ってみると――


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やっぱ、ないです。


徹底的に畑にされているので、奥の林の木の茂り具合くらいしか判断材料がありません。場所は、川にかかる橋と交差点の位置関係から、それなりに正確にわかっているのですが。
迫り来る夕暮れに背を向けるように、次の辺渓駅跡へ。

16:45 辺渓駅跡


辺渓駅は、沿線の道路から見てやや奥にあって、その付近は灌木と低木の茂みのようになっています。やっぱり、見た限り駅の跡は確認できないのですが…


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謎の構造物が。


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んー、トイレのタイルに見えるけど、辺渓駅にはトイレなんか無かったんじゃないかなー。
とりあえず、左の写真の構造物は本当にコンクリート橋梁跡のようです。昔、ここに線路があった。


辺渓を離れ、さらに仁宇布方面に走っていくと…。


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国道の北を走っていた線路が、国道をアンダーパスして南側に出ます。
これがその位置。国道は、写真の左上にちらっと見える車の高さを、左右に走っています。
その手前の、一面葉っぱが茂っている面を、右手前に向かって線路が抜けてきていたものと思われます。
真後ろを見ると、草原がはるか彼方へ向かって延びていました。


このあたりを過ぎると、今までの見つからなさはどこへ、そこら中が遺構だらけになります。


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▲名称不明の橋付近より。


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▲第四仁宇布橋より。


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▲緑線橋より。今はまっすぐな道路橋が架かっているが、かつてはこの下を線路が潜っていた


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▲第二仁宇布橋より。わかるような、わからないような…


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さらに進んでいくと、急に周囲が開けて駐車場が現れます。その横には、トロッコ王国美深の折り返し地点が。
17:30を過ぎ、人の気配はありません。


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▲第一仁宇布橋より。現役です。昼間ならトロッコがゴトゴト走るはずなのですが…。

17:50 仁宇布駅跡


美幸線の終点にたどり着きました。
本当はこの先も建設が進んでいたんですが、ひとまず先行開業したのがこの駅まで。
この先が開業することはありませんでした。


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当時の駅名標が残っていたり、


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謎のサハネ581が留置されていたりするのは、けっこう有名です。
しかしこのあたりで日没タイムアウト。トロッコ王国は明日再訪することにして、ひとまず下山です。
ふたたび宗谷本線沿線に出たのち、さらに北上。目指すのは……

21:20 糠南駅


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天塩川沿いに北上を続け、たどり着いたのは糠南駅。稚内まで80キロの距離です。
この駅に停まる終列車は、18時台に出てしまっているので、駅の機能としては翌朝まで眠り続けるのですが、線路はまだ起きています。この後、スーパー宗谷3号が通過します。
右端に見える物置が実は駅舎です。知らなかったら扉を開けようとも思わないですね。この中で駅寝をした猛者もけっこう居るようですが、私はちょっとそんな度胸はありません。


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駅の付近に踏み切りがあり、そこから眺めた糠南駅。たよりないほどに小さく見えます。
そして21:30頃、お目当てのスーパー宗谷3号が通過。動画からのキャプチャなのでちょっと荒いですが…。
今日は、臨時列車に格下げになった夜行特急「はなたび利尻」の運転日ではないので、宗谷本線の列車はこれで終了です。
美深に戻って翌日のトロッコに備えるか、せっかくだから最北端まで行ってしまうか。
ちょっと迷いましたが、道路沿いにある小駅を訪ねながら、北へ向かうことにしました。

22:50 問寒別駅


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糠南駅から国道40号線に戻る途中、カーナビで駅が目に入ったので、寄ってみたところ、駅舎が貨車でしたよ!


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クルマの上向きライトを背にして写真を撮ったら、駅舎正面の防風林に大きな影が映りました。かなり怖い。

23:30 南幌延駅


さらに北へ。
路肩の位置を示す矢印が頭上で赤く点滅しているのを除けば、本当に真っ暗な国道を走っていると、たとえ線路が道路に寄り添っていても簡単には気づきません。退屈な暗い闇を突き進んでいる途中、突然それは現れました。


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( ゜Д゜)


まるちぷるたいたんぱー!!


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煌々と照らされる線路を、作業員さんが動き回っていました。
幸い、現場責任者と思しき方とお話ができました。今晩は雄信内から幌延までの区間を保線するとのこと。
宗谷本線全体を保線するには一ヶ月以上かかるとか、旭川付近で作業をすると苦情が殺到するとか、面白い話をいろいろ聞かせていただきました。
宗谷本線は「はなたび利尻」が走らない日に保線をしているそうで、明日(金曜)はまた別の所に出張だよ、と笑っておられました。


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マルタイが去った後、南幌延駅は静寂に包まれました。これまでの駅よりも余計に静かな気がしました。