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夏休みで誰もいない研究室でペンデレツキをガンガンかけてたら秘書さんが郵便物を持ってきました。
「これ何掛けてるんですか?」
『えっと、ペンデレツキの…』
「え、ペンデレツキ…渋いですね〜」
『あ、えっと…何か楽器とかされるんですか?』
「私、チェンバロとかピアノとか弾くんですよー」
『!! ええと、どのあたりを…』
「古楽がメインで、バッハとか…」
『……クープランとか?』
…あれ〜。どこかで聞いたようなシチュエーション…。
なぜか込み上げてくる笑いを堪えるのに必死でした。
とりあえず私もピアノとかヴァイオリンとか弾いててオケやってた事を言ってみる。
『学内のP楽団でヴァイオリン弾いてましたよ〜』
「え、P楽団……私もそこに居たんですよ。ええと、…Iクンとか?」
I氏は中学高校のオケの大先輩でありいろいろと痛い目に遭わせてご指導ご鞭撻を下さってた方でニーチェが大好きだったりしてジョークなんて一切口にしないすっごく怖い方なのでよ〜く知ってます。ミスした時に後ろの列から譜面台蹴られたことも。
『Iさんってヴィオラの…中学高校時代から色々お世話になってたので…。』
「あー、Iキュンはね〜」
Iさんごめんなさい。笑うのガマンできませんでした。
夏休みの不思議な出会い。うん、またどこかのオケに入ろう。