第一級陸上無線技術士 無線工学A まとめ2

搬送波電力と変調度 M (84)

P_{M1} = P_C \( 1 + \frac{M_1^2}{2} \)

  • P_C:搬送波電力
  • P_{M1}:被変調波電力
  • アンテナ出力電流と変調度の関係については(93)も参照。

周波数変調波のS/N改善係数 I (85)

I = 10 \log_{10} \frac{3 {f_D}^2 B}{2 {f_M}^3}

  • I[dB]:S/N改善係数
  • f_M[Hz]:最高変調周波数
  • f_D[Hz]:最大周波数変移
  • B[Hz]:受信機の等価雑音帯域幅

全側波帯電力に対する、側波帯次数n=kまでの帯域内の電力比 a_k (86)

a_k = J_0^2 (m) + 2 \sum_{n=1}^{k} J_n^2 (m)

  • ベッセル関数の値の二乗は、ある次数の側波帯の電力を表すので、搬送波から順に外へJ_n^2 (m) の値を足していく。係数「2」は左右両側にあるので。m は変調指数。

変調指数 m (86)

m = \frac{f_D}{f_M}

  • f_M[Hz]:最高変調周波数
  • f_D[Hz]:最大周波数変移

n 次の相互変調積 e_{IM} (87)

e_{IM} = k ( e_1 \cos \omega_1 t + e_2 \cos \omega_2 t )^n

  • n次の相互変調積は信号電圧のn乗に比例する。

包絡線検波 (90)

  • 時定数CRの値が大きいと追随が間に合わずダイアゴナルクリッピングひずみを生じる
  • 平均値検波の役3倍(\pi倍)の効率

アンテナ出力電流と変調度 M (93)

I_M^2 = I_C^2 \( 1 + \frac{M^2}{2} \)

  • I_M:被変調波時のアンテナ出力電流
  • I_C:無変調時のアンテナ出力電流

遮断周波数 (96)

B = \frac{0.35}{t}

  • B:必要な周波数帯域
  • t:伝送するパルスの立ち上がり/立ち下がり時間
  • 高域での周波数特性は 6dB/oct とする。

BSデジタル放送 (102)

  • 映像信号のベースバンド帯域幅は4.5MHz
  • 主搬送波は周波数変調
  • 映像信号は正変調(地上アナログとは逆)
  • 音声信号の変調方式はPCM方式で、音声副搬送波を4DPSK変調する。
  • 音声信号の帯域幅は15kHz(モードA)、20kHz(モードB)

2PSK復調回路 (106)

  • 入力信号を復調して原信号を取り出し、それを変調機に入力して入力信号を逆変調すると搬送波が得られる。

マイクロ波多重通信方式 (107)

  • PAM変調された入力信号はS/N向上のために圧縮器を通り、PCM符号化される。

16QAM変調方式 (108)

  • \pi/2だけ位相がずれた2つの振幅変調波の加算により変調される。

雑音指数 F (113)

F = \frac{S_i/N_i}{S_o/N_o}

  • S_i/N_i:入力のS/N比
  • S_o/N_o:出力のS/N比
  • 出力のS/N比が入力のS/N比より5dB悪くなった場合、その機器の雑音指数は5dBである。

F = F_1 + \frac{F_2 - 1}{G_1} + \frac{F_3 - 1}{G_1 G_2}

  • F:系全体の雑音指数
  • F_1F_2F_3:機器1・機器2・機器3の雑音指数
  • G_1G_2:機器1・機器2の利得
  • ※計算には真数を用いる。

N_I = kT_0 + B + F

  • N_I:雑音電力の入力換算値
  • kT_0:熱雑音
  • B帯域幅(dBHz)
  • F:受信機全体の雑音指数

アイ開口率 (114)

\Delta_{(S/N)} = 20 \log_{10}\frac{b}{a}

  • \Delta_{(S/N)}:S/N劣化量
  • \frac{a}{b}:アイ開口率
  • 電圧値なので2倍=6dBとなることに注意。

PCM回線のジッタ (115)

  • ジッタは位相(=時間)方向のずれ。PCM回線ではタイミングパルスを取り出す際にジッタが問題となる。
  • ランダムジッタとパターンジッタ
  • パターンジッタは低周波成分のため除去が難しい

雑音温度 (116)

T_{FI}=(L_F - 1)T_0

  • T_{FI}:入力端に換算したフィーダの雑音温度
  • L_F:この系(フィーダ等)における伝送損失(真値)
  • T_0:環境温度
  • 雑音温度の和を求めるときは入力端に換算する。(それ以前のフィーダ損とかを足す必要がある)

受信電力のS/N比 (118)

S/N = P_R - (k+T+B+F)

雑音温度 (119)

F = 1 + (T_E/T_0)
T_E = (F-1)T_0

  • T_E:等価雑音温度
  • T_0:周囲温度
  • F:雑音指数

3次相互変調積の周波数 (121)

  • 2波の場合 2a-b
  • 3波の場合 a+b-c

スペクトル拡散通信方式 (125)

  • ベースバンド帯域よりも広い通信帯域に拡散して通信する。狭帯域の妨害波に強い。

デジタル携帯電話システム (127)(129)

  • 移動局、基地局、移動通信制御局
  • 小ゾーン方式
  • \pi/4シフトQPSK変調方式

CDMA方式 (130)

  • すべての基地局が下り回線で同じ周波数を使う
  • すべての移動局が上り回線で同じ周波数を使う

相互変調積と結合度 (131)

  • 相互変調積は各波が等間隔に並ぶときに発生する
  • 結合度kとすると、大きい方は1/k、小さい方は1/k^2

レーダーの距離分解能 (132)(134)

  • パルスレーダーの距離分解能は、パルス幅を\tau、光速をcとすると c \tau/2
  • レーダーのレンジは表示板の半径に相当。0.5マイルレンジなら表示板の中心から縁までが0.5マイル。

レーダー方程式 (133)

S=\frac{PGA \rho}{(4 \pi )^2 R^4}

  • S:受信電力
  • P:送信尖頭出力
  • G:アンテナの利得
  • A:アンテナの実効面積
  • \rho:物標の有効反射断面積
  • R:物標との距離
  • 分母は物標までの距離を半径とする球の表面積(4 \pi R^2)の2乗。

ドップラーレーダー (137)

f_D= \frac{2 v_0}{\lambda} = \frac{2v_0 f_r}{c}

  • f_D:ドップラー周波数
  • v_0:電波発信源の速度
  • \lambda:電波の波長
  • f_r:電波の周波数
  • c:光速

DME(航行援助用距離測定装置) (139)

  • 2次レーダーの一種。(付加情報も表示する)
  • 質問信号と異なる周波数の応答信号を自動的に発生する

航空機レーダー3種類 (140)

  • グライドパス:上下方向指示
  • ローカライザ:滑走路中心指示
  • マーカビーコン:中継地点を指示

4端子回路のインピーダンス (145)

Z_0=\sqrt{Z_f Z_s}

時定数と高域遮断周波数 (148)

f_H = \frac{1}{2 \pi \tau}

  • f_H:高域遮断周波数
  • \tau:時定数(出力電圧が基準値に対して0.63(=1-\mathrm{e}^{-1})倍の値になるまでの時間)

FFTアナライザの特徴 (150)

  • 各周波数の振幅と位相を計測できる。
  • バースト信号の計測が可能。
  • スペクトラムアナライザと組み合わせて用いられることがある。

ネットワークアナライザの特徴 (151)

  • Sパラメータを直接測定できる。
  • 非線形回路網の解析はできない。
  • 測定時は回路に方形波ではなく疑似インパルスを入力する。

AM変調波の搬送波・上下側波帯の実効値 (152)

V_{Sm} = \frac{1}{2} M V_{Cm}

  • V_{Sm}:上下側波帯の最大値
  • M:変調度
  • V_{Cm}:搬送波の最大値
  • V_{Cm}は、AM変調の波形をよく見ると求まる。振幅は中心からの振れであることに注意。

有周波数帯域幅 (153)

  • 帯域幅からはみ出す電力が上側で0.5%、下側で0.5%となる帯域。
  • 帯域ごとの電力を合算するため、1計測ごとの測定帯域幅は狭い。

受信機の雑音指数 (155)

F=\frac{S_I / N_I}{S_O / N_O}

  • 雑音指数はS/Nの低下を表す指数で、低下する場合に正の値となる。よって I/Oの順番になる。

微分利得 (157)

\mathrm{DG} = \frac{x-a}{a}

  • x:各段階における振幅
  • a:重畳した色搬送波の振幅がほぼ一定とみなせる部分

アナログテレビゴーストの評価 (158)

  • ゴースト本数による画質劣化量は本数の平方根に比例。
  • 客観評価基準 PDUR(Perceived DU Ratio)

雑音電界強度測定器 (159)

  • 準尖頭値は、既定の充電・放電時定数をもつ直線検波器で測定された、見かけ上の尖頭値である。